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航空機部品メーカーB社 設計部

炎(Flame)が出ない、煙(Smoke)が出ない、
毒性ガス(Toxicity)を発生しない!

安全基準を満たした、まったく新しい航空機内装向けコンポジット部品用コア材とは

背景

航空機の内装品やシートなどの製造を手掛けるB社。これまで炎(Flame)が出ない、煙(Smoke)が出ない、毒性ガス(Toxicity)を発生しないFST規格に合格するハニカムコアを内装用コンポジットコア材として採用してきたが、成形性に課題を抱えていた。

課題

早急に新たな素材を開拓したいが、FST規格に合格する素材探しは難航…

航空機の部材は、FST(Flammability / Smoke / Toxicity)試験に対応する必要がありました。これは⽇本を含め世界中で避けては通れない要求事項です。さらに、航空機は燃料消費を抑えて排出CO2を削減するため、機体は十分な強度を持たせながら可能な限り軽量化することが求められていました。

設計部のM氏はこう語ります。
「機内で使用可能な材料は、仮に着火してもすぐに鎮火し、炎(Flame)、煙(Smoke)、毒性ガス(Toxicity)を発生させない点が非常に重要です。なぜなら、空中で搭乗客は逃げ場がありませんから。そのためFST規格に合格するハニカムコアを航空機の内装用コンポジットコア材として採用してきました」

蜂の巣のような六角形や、その他同一の立体図形(セル)を隙間なく並べた構造体のハニカムコアは、軽量・高強度・高剛性・衝撃吸収性が高く、断熱性能があるなど、優れた性質をもっていました。しかし、そんなハニカムコアの成形性が今回の課題となったのです。

「金属やアラミドなどの樹脂で構成されたハニカムコア材を内部に持つハニカムパネルは、パネルを成形した時に形状がほぼ決まってしまいます。部品の曲率に限界があるため複雑な形状に対応することは難しく、また薄いコア材のみでは強度が低いために部品最外部のセル空隙を埋めるなど側面の補強も必要となり、結果的に重量も増加してしまうのです」(M氏)

次世代航空機、新たな技術、新興国を始めとした競争相手の増加等により、今後の航空機サプライヤーを取り巻く競争は激化していくことが予想されます。B社は他社との差別化のためにも早急に新たな素材を開拓したいところですが、FST規格に合格する素材探しは難航しました。

課題のポイント

  • ハニカムコアは成形性に課題があり、複雑な形状に対応するのが難しかった

  • 部品最外部のセル空隙を埋めることによる重量増加、および多くの工程を必要とするためコストも課題

  • ロハセル®はFST基準が要求される航空機内装部品に使用できなかった

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