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VESTENAMER®事例

リサイクル材を高機能素材へと再生する。
今、ベステナマー(VESTENAMER®)が高機能ゴム添加剤として選ばれている理由とは

実際に使われている場面から見るベステナマーの実力

世界中のゴム製品の現場でベステナマーが選ばれています。たとえばスペック項目に反発力があり、摩耗への耐久性が求められる競技用テニスボールにベステナマーを配合することで、リサイクルゴムを50%まで使用することを可能にし、そのボールは国際的な性能基準をクリアします。リサイクル材はもう代替素材ではなく、「高機能な素材」となった事例です。

ベステナマーを用いたリサイクルゴムで公式試合球の性能を実現

成形前のスコーチ(ゴム焼け)や、成形時の流動性、成形後の製品の表面平滑性などに課題を抱えていた、産業機械向けゴムホースを製造するメーカーでは、ベステナマーを添加した新処方を開発。混練性と押出成形性が改善されただけでなく、加硫後の寸法安定性や表面平滑性も向上しました。従来よりも高密度なホース構造の量産が安定して行えるようになったといいます。

自動車業界に目を向けると、リトレッドタイヤ(更生タイヤ)を製造する欧州メーカーがベステナマーを導入し、再資源化率の向上と品質維持の両立を実現しています。従来、廃タイヤを再利用するとグリップ性や摩耗性が劣化しやすいという課題がありましたが、ベステナマーの添加によりこれらの問題を克服。既存製品と同等の性能を保ちつつ、CO₂排出量の削減にも貢献することができました。

また、欧州を中心に世界大手のタイヤメーカー10社中5社以上が、すでにベステナマーを採用しており、リサイクル材との併用によるサステナビリティ対応の側面でも、高い評価を得ています。

インフラ分野では、米国の一部自治体が道路舗装におけるゴムアスファルト改質材としてベステナマーを活用しています。寒冷地や交通量の多い地域では、舗装材の耐久性と柔軟性が重要な要件となります。ここでも、廃タイヤ由来のゴムと組み合わせることで、従来よりも耐ひび割れ性や弾性に優れた舗装材を実現。資源の有効活用と路面性能の向上の両立という点で高く評価されています。

さらに、日本国内では、工業用ゴム製品を製造する中堅メーカーがシール材の押出・成形工程にベステナマーを使用しています。複雑な形状と高精度が求められるこの分野では、粘度や流動性の制御が重要ですが、ベステナマーの添加によって加工性が向上し、寸法安定性と成形品の再現性が大きく改善されました。結果として、歩留まりが向上し、生産リードタイムの短縮にもつながっています。

このようにベステナマーは、添加剤という枠を超えて、実際の製品設計や環境戦略の中核として選ばれている素材です。

添加剤以上の役割を担うポリマー、ベステナマーとは

VESTENAMER®(ベステナマー)は、ドイツのエボニック社が開発した高機能ゴム添加剤です。Trans-polyoctenamer(TOR)と呼ばれるこの素材は、熱可塑性と柔軟性を兼ね備え、た、大環状構造を有しています。また白色のペレット状(米粒状)で、プラスチックのような取り扱いやすさを持ちつつ、ゴム特有のしなやかさも併せ持つ点が特長です。

ゴム製品の製造においては、「加工しやすさ」と「物性の高さ」のバランスが常に課題となりますが、ベステナマーはそのバランスを実現するための有効な手段として注目されています。

性能を損なわない再利用を実現した、リサイクルゴムとの相性

ベステナマーの真価が発揮されるのが、廃タイヤを粉砕したGTR(Ground Tire Rubber)との混合によるリサイクル用途です。従来、GTRは加工性や物性の面で課題が多く、品質要求の高い製品には使いづらいとされてきました。

しかし、ベステナマーを添加することでGTRの加工性が大きく改善され、最終製品の物性も回復・強化されることが実証されています。加工時の混練性を向上させるだけでなく、摩耗性、反発性、圧縮強度といった物性も改善されることから、スポーツ用品や産業資材への適用が進んでいるのです。

このように、リサイクル材を単なる代替素材ではなく、高機能素材へと再生できる点が、ベステナマーの大きな特長です。加えて、混練時間の短縮や工程の簡素化はCO₂排出削減にもつながるため、環境負荷低減にも貢献します。

「高性能×サステナビリティ」という選択肢

ベステナマーは、ただの可塑剤でもなければ相溶化剤でもありません。リサイクル材とバージン材を橋渡しし、技術的課題と環境課題を同時に解決する処方設計の中核材料として、多くの現場でその実力を証明しています。

こうした柔軟性は、用途ごとのカスタム処方設計において大きな武器になります。今後はEV市場、軽量化製品、高精度成形品といった分野でも、ベステナマーが果たせる役割はさらに広がっていくでしょう。

いまや企業は、製品だけでなく、製造過程や素材選定における環境配慮も問われる時代です。そのような中で、性能・実績・サステナビリティのすべてを満たすベステナマーは、すでに多くの先進企業に採用されている一方で、これから試すべき選択肢としても強く推奨される存在です。ぜひ一度、処方設計の選択肢としてご検討ください。

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