
セイコーオプティカルプロダクツ株式会社
重厚感と軽量性を両立する、革新的な薄型フレームを実現
ドイツ製高機能樹脂「トロガミド®」が支えたセイコー眼鏡フレームの新製品開発
背景
眼鏡レンズとフレームの一体展開に注力するセイコーオプティカルプロダクツ株式会社。同社では、近年のユーザーニーズの多様化を受け、機能性とデザイン性を両立した新しい製品開発が求められていた。
課題
現場で求められたのは、重厚感と快適性の両立という矛盾したニーズの克服。
フレームに重厚感を持たせつつも、軽量で薄型に仕上げるという、相反するテーマに長らく取り組んでいました。特にセイコー眼鏡フレームのリードモデルとして、高級感と機能性の両立は譲れない要素でした。
開発担当のK氏は、こう語ります。
「フレームが重いと、長時間の着用で耳や鼻への負担がかかります。一方で、軽量に振りすぎると、高級感が損なわれてしまいます。ユーザーの満足度を高めるためには、どちらか一方だけでは足りないのです」
軽量化を実現するには、フレームを薄く設計することも重要な要素でした。フレームが厚いと全体の印象が重く見えてしまいます。フレームを可能な限り薄くすることで、レンズとの一体感を高め、より洗練された印象に仕上げたいという狙いがありました。
しかし、従来使用していたアセテート素材では、薄くすればするほどフレームの強度が低下してしまい、耐久性に不安が残りました。
デザイン性、快適性──。いずれかを優先すれば、他の要素に妥協が必要になる。そうした状況の中で、新たな素材の可能性を模索し続けていました。
課題のポイント
フレームを「薄く」「軽く」「高級感あるデザイン」に仕上げたいという相反するニーズ
アセテートでは強度面の限界があり、薄型化に不安が残った
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