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アイウェアメーカーW社 企画部

サングラスの次期モデルを企画中に、課題点が次々と見つかって…

評判通りのポテンシャル!ポリカーボネートの代替にピッタリな新素材とは

背景

サングラスが人気のW社。次期モデルは、市場にインパクトのある機能重視の新素材を採用することに決まり、企画部は新素材の選定と仕様の策定に取り組み始めた。

課題

採用実績が豊富な現行の樹脂素材にも多くの課題が…

この企画を担当することになった同部のN氏は、手始めに非晶性の透明ポリアミド樹脂及びポリカーボネートなどの現在使用している素材との差別化ポイントを見つけるために、それらの素材について調査したところ、さまざまな課題が存在することが分かった。

「調査からいろいろな課題が見えてきました。現行品は切削加工時にネジ穴付近にクラックが入りやすいため生産性に影響することや、紫外線の影響で黄変や劣化が起こってしまうという意見です。その他にも、耐薬品性に不安があり、整髪料や日焼け止めおよび化粧品に触れることを想定すると、劣化(変色、曇りが発生)を防止するためのコーティングが必要です。コーティング工程では薬品を使用しますので、サステナブルなコーティングフリーの素材はないかといったコメントもありました。また、大変興味深い意見もありました。レンズを成形するとき、樹脂の流れた痕跡が「ひずみ」として残っており、その「ひずみ」は目にゆがんだ映像となって映ります。その歪みを脳は調整し修復し続けるそうです。この調整は無自覚で行われるため、「ひずみ」のあるレンズを長時間かけることが目の疲れに通じている可能性が考えられるということで、「ひずみ」の現れにくい樹脂はないか、などの声です」(N氏)

N氏はこれらの調査結果を参考に、レンズやフレームの素材選びを実施することにしました。いろいろな素材を見ていく中で、こうした問題の多くは非晶性の透明ポリアミド樹脂及びポリカーボネートなどのレンズやフレームに起因することが分かってきました。ところが、メガネ市場ではこれらの樹脂は非常に多く出回っており、自社の多くのモデルでも大半にこれらの素材を使用しています。N氏は新たな樹脂素材を探しましたが、透明樹脂の情報が乏しく次期モデルの素材選定は頓挫するかと思われました。

課題のポイント

  • 次期モデルの開発にあたり、素材について調査したところ、課題の多くがポリカーボネート製のレンズやフレームによるものだった

  • 切削加工時にクラックが入りやすく、生産性に影響を与えてしまう

  • 耐薬品性、耐油性に課題があり、劣化の原因となっていた

  • ひずみを解決する樹脂が見当たらない

  • ポリカーボネートなどの現行品以外の素材が見つからず、検討は頓挫してしまった

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