
検査装置機器メーカーN社 設計開発部
検査用光学部品に適した耐薬品性、耐候性に優れた透明材料を探すことに…
課題を解決する材料は微結晶性の特長を持つトロガミド®だった!
背景
検査機器の設計開発・製造・販売するメーカーN社。その設計開発部のM氏は、紫外領域の光を照射することで、肉眼では見えづらいキズや、繊維の屑、有機物の汚れなど確認するための検査用照明装置の光学部品の設計担当をしている。最近、顧客からのニーズで、狭い場所でも使用でき、持ち運び可能なハンディタイプで、さらにオイルやアルコールなどの様々な薬品に触れても使用可能な器具が欲しいとの要望があった。M氏は、早速、そのような環境でも使用できる材料の調査を開始した。

※上記写真は製品のイメージです。
課題
従来の光学部品ではアクリル、ポリカーボネートを使用していたが、それでは耐薬品性を満たさず…
従来、N社は検査機器の透明な光学部品にはアクリルやPC(ポリカーボネート)を使用していた。しかし、今回顧客からのニーズに対して、非晶性のアクリルやPCを使用した場合、オイルやアルコールなどに触れると樹脂が白化するケミカルクラックが起きてしまう。
アルコール消毒した際のアクリルのケミカルクラックの事例

設計開発部のM氏は、検討時の内容を以下のように振り返る。
「今回の光学部品は、オイルなどの耐薬品性に加えて、検査用ランプが紫外線領域を発する光のため、耐候性(耐紫外線性)も必要です。また、使用する場所が狭いスペースや、持ち運びを前提にしているため、検査器具を色々なところにぶつける可能性もあります。そのため、ある程度の衝撃性に強い材料である必要もあります。もちろん、光学部品ですので透明性も非常に重要です。」
課題をクリアするための材料の情報収集のため、インターネットで検索したところ、ポリプラ・エボニックの微結晶性で耐薬品性に優れた透明ポリアミドのトロガミド®を紹介している記事を発見した。
新規検査装置の光学部品に求められる特性
高い透明性かつ、使用環境下で求められるオイル、アルコールなどと触れた際の耐薬品性
検査用ランプが紫外線を発するため、材料には耐候性(耐紫外線性)が必要
狭い場所での使用や持ち運びを想定しており、器具を思いがけずぶつける可能性があるため、割れづらい材料が好ましい